兼喜神社 【説明版・標柱】

けんきじんじゃ

 

兼喜神社は10代北郷時久(ほんごうときひさ)がその長男相久(すけひさ)を祀るために創建したものです。

今の社殿は天明8年(1788)島津久ひさ倫ともの代に再興されたものです。

神殿の建築は桃山建築の様式を模した権現造りで、拝殿=桁行5間・梁行2間、舞殿=桁行3間・梁行3間、本殿=桁行3間・梁行3間の3棟からなっています。

意匠は、彫刻や極彩色手法を駆使したものとなっており、本殿の雲龍の彫刻などはとても特徴的で、当時の工法やデザインを偲ばせています。

本神社は、近世社寺建築物のなかで史実がはっきりしていて、保存状態も良好で、系統的にも江戸期における旧鹿児島藩独自の社寺彫刻手法を取り入れています。

特に廃仏毀釈の厳しかった当地方では、寺院建築において古いものが残っていないことから、現代の社寺建築への技術移行の過程を知るうえで非常に歴史的価値が高いと評価され、現在、県文化財に指定されています。