利他の心を判断基準とする。『コロナ時代に通じる利他の心』
京セラやKDDIの創設者で、2010年1月に経営破綻した日本航空をわずか2年でV字回復させた稲盛和夫氏の名前をご存じの方は多いはずです。
その稲盛氏を塾長とする全国組織の経営実践塾「盛和塾」(1983年の発足当初は「盛友塾」)では、「心を高める 経営を伸ばす」を標語としており、宮崎県でも1994年4月に盛和塾「宮崎」を設立して県内の経営者たちの学びの場として活動を続けてきました。
ただ、稲盛塾長は1932年1月のお生まれでご高齢(今年89歳)のため、2019年末で「盛和塾」を解散すると決断されたため、その後継塾として昨年7月に本県で設立したのが「RITA JUKU MIYAZAKI」です。
この新塾のネーミングは、当塾の江夏拓三会長(BTV㈱代表取締役)の発案で、稲盛塾長の教え「利他の心を判断基準にする」を常に念頭に置こうとの思いが込められています。
稲盛氏は、27歳で京セラ(1959年の創業時は京都セラミック)を創業し、会社の経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めました。新たな事業を始め、従業員の生活を守るためには、まずは儲けなければならない。そこで、儲けることを大原則とし、同時に、物事の善悪を経営の基準としました。ところが、次第に別のことに気づきます。損得勘定や善悪以外に人の判断や行動を左右しているもの、それが「利他の心」だと。人間として正しいことを考えるだけでは不十分で、「他によかれかし」と考えること、これを会社経営においても日常生活においても判断基準とすることとしたのです。
昨年年頭に国内で発生した新型コロナの影響で、飲食・観光関連業種を中心に経営が逼迫し、倒産の危機にある企業やお店が続出しています。一方で、これをビジネスチャンスとして飛躍的に業績を伸ばしている企業があります。
今後は新しい年度の決算報告が出揃うたびに業界地図が大きく塗り変わっていくことが予想されます。そうした中にあって、業績が伸びた企業は経営者の才覚と従業員の努力があったればこそ。しかし、それを支えてくれたのはお客様や取引先など会社を取り巻くすべての人たちのお蔭。そうした方々や、これまで切磋琢磨してきたライバル企業従業員の方々のことにまで思いを致し、他社・他人のために善かれと思う行動をとる、それが地域に活力をもたらし、ひいては国を支える礎ともなる、その理念を継承するとともに改めて学びを深め経営に活かす目的でコロナ禍の昨年7月に新塾がスタートしました。
「盛和塾」解散時の塾生は14,940名(国内7,302名・海外7,638名)、塾数は104(国内56・海外48)、その後継塾が全国・海外の各地で続々立ち上がり、活動を再開し始めています。
今年10月には国立京都国際会館で「世界大会」を開催することも決定されました。私たちの今後の活動に、どうぞご期待ください。
文責 RITA JUKU MIYAZAKI 事務局長 森川 護
津曲慎哉さんは、たしか数年前に結婚したばかりで、新米オヤジとして「家庭と仕事の両立」の大切さを身をもって感じているところだと思います。そんな新社長の「(家族の気持ちで)全従業員の物心両面の幸福を追求する」姿勢に期待します。<えびのファン>